第一回連載資料

今回取り上げた書籍は以下になります。

模倣の法則

模倣の法則

メディア論―人間の拡張の諸相

メディア論―人間の拡張の諸相

かくれた次元

かくれた次元

速度と政治 (平凡社ライブラリー)

速度と政治 (平凡社ライブラリー)

日本の思想 (岩波新書)

日本の思想 (岩波新書)

古事記 新潮日本古典集成 第27回

古事記 新潮日本古典集成 第27回

倫理問題101問 (ちくま学芸文庫)

倫理問題101問 (ちくま学芸文庫)

複製されるヒト

複製されるヒト

この本も重要です。

かたちの生命 (ちくま学芸文庫)

かたちの生命 (ちくま学芸文庫)

山中伸弥氏が研究をはじめたきっかけとしては下記に紹介されています。
http://scienceportal.jp/HotTopics/kagakusha/backnumber/10.html

もともと整形外科の臨床医だった私が研究者に転身するきっかけの一つは、ある重症リウマチの女性患者さんを担当したことでした。全身の関節が変形し、ベッドの傍らに置かれた写真にあるかつての面影をほとんど残していないその姿に、ショックを受けたのです。

そして、基礎研究を行えば、こういう患者さんも救える治療につながるかもしれないと考えるようになりました。現状の治療法には限界があるということも、痛いほどよくわかりました。新たな治療法を求めて研究していくことは、患者さんを実際に診療するのと同じくらい、もしくはそれ以上に患者さんを助けることになるかもしれないと考えました。

Superstudio「12の理想の都市」について、大石敏雄訳(都市住宅1971年9月号)を一部紹介します。

第一の都市 2000tの都市

草原や陽光に輝く丘,樹木におおわれた山々に都市が平等にまた完全にひろがっている. 互いに交差した連続的建物の薄く高いかみそりの刃が,リーグ尺を単位として厳密に4角に配された網の目状に立っている. 建物群,いいかえれば間断することのないただひとつの建物は,1辺が5キューピットの立方体のセルによってできており,これらのセルは海抜3分の1リーグの高さまで唯一つの秩序に従って積み上げられていて,建物の相対的な高さはそれが立っている土地の高さとの関係で変化するようになっている. したがって各セルは外部との域界として向いあった2つの壁をもっている. 各セルの壁は不透明材でできているが通気性をもっており,堅くしっかりとしているがまた柔かである, 北側の璧(またこれが隣接している場合には西側の壁)は3次元のイメージ,音,匂いを発することができる. 反対側にある壁には腰掛けがあって,どのような人体にも完全こ密着し,人体を包み込むことさえできるようになっている. この腰掛けには生理的必要や食糧,排泄,性的要求を満す装置が組み込まれている. この装置をつくっている膜状物質は,その機能を要求されないときにはそのアクセサリーといっしょにひっこんで,再び壁となるようにしてある. 床は物質のシミュレーターとして,そのあらゆる感情のパラメーターとの関係でたくさんの生きた物質を再生産することができる.しかしながら天井こそ,セルの本質的な壁面なのである. すなわち天井は,脳の刺激を受信するたったひとつのスクリーンによってできているのである.各セルには一人の人間が住み,その脳の刺激は絶えずパネルによって受信され,唯一つの電子分析機に伝達される. この分析機の複雑な装置は,建物の頂上にある単円筒形の連続ヴォールトの下に集められている. 分析機は各個人の欲望は選別,比較,平均し,イメージを発する壁とシミュレーターの床,装置を含んだ壁面の作用によって全都市の生活を一瞬一瞬プログラム化する. こうして全市民はつねに同じ平等な条件下にある. ここには死はもう存在しないのである. ただ人間に対して外側から与えられる完全な生活に反抗しようなどという不合理な考えにとりつかれるものが,ときどき出てくるだけである. 分析機はここではじめて,犯罪というものを知らない,しかしかりにそれが練り返えされるようだと,都市はかくのごとくそこでの生活に値しないということがわかったものには,生命空間を与えることを拒絶するのである.
まさにこの点において都市の驚くべき経済のなかで生活が決められてゆくのである. パネルはその原初的位置にまでさかのぼり,同時に空いているセルに対して4分の1リーグの距離を保ってセルに住んでいるものはすべて,卵子1個または精液をゆずり,これらは特別のチャンネルを通って空いている腰掛けに向かい先をあらそって運びこまれるのである. ここで卵子は受精し,腰掛には都市の新しい息子をその幸多き運命の夜明けまで子宮となって9カ月間保護するのである.